おられますか?
テレビ番組で、よく耳にします。
というより関西圏の方がよく使っているイメージがあります。その影響を受けて誤用が広まっているんでしょうか。
なんだか聞くたびにこっちが恥ずかしくなる言葉の一つです。
ただ「おる」は関西弁では謙譲語ではなく標準語の「いる」にあたるのではないかと思います。そこから変な使い方が生まれてしまったのではないでしょうか。
関西弁に詳しくないので予測の域を出ませんが(笑)
おられますか?を分解すると
「おる」+「られる」+「ますか」ですね。
●「おる」
これは謙譲語Ⅱで「いる」の謙譲表現です。
ですから相手に対し「おる」を使うという事は、相手を低めて自分を高めるという、なんとも失礼な表現です。
本来は謙譲語ですから自身や身内に対し用いる言葉です。
例えば
「明日は午後からおります」
「(取引先に対し)はい、佐々木ですね。おりますのでただ今代わります」
などの使い方があります。
●「られる」
これは尊敬語で「~られる」という尊敬表現です。
例えば
「そこまで歩かれますか?」
「確認されますか?」
「もう読まれましたか?」
などの使い方があります。
●「ますか」
これはただの丁寧表現ですね。
「おられますか?」はカオスな敬語
という事で、おられますか?は謙譲語と尊敬表現が連結しているカオスな敬語です。
謙譲語は自分の動作や状態
尊敬語は相手の動作や状態
ちゃんと用法を守らないと知らず知らずに失礼な事を言っているかもしれません。いま一度、注意してみてください。
というわけで、相手がいるかどうかを確認したいときは「いる」の尊敬語「いらっしゃる」を使います。
「いらっしゃいますか?」
と言いましょう。