~様でございますか?
電話の応対やレストランやホテルの予約確認で
「~様でございますか?」
と、にこやかに言う人がいます。
笑顔が素敵!そこに少しの言葉づかいへの意識があるともっと良かったなぁと、残念に思う事が多々あります。
「~様でございますか?」
という言い方には落とし穴が。
「~様でいらっしゃいますか?」
と言い換えて、スマートに。
「ございます」「いらっしゃる」の意味
ございます【御座います】
[動サ特活]《「ござります」の音変化。近世江戸以来の語》
1「ある」の意の丁寧語。「あります」より丁寧な言い方。
2(補助動詞)補助動詞「ある」の丁寧語。
出典:デジタル大辞泉
いらっしゃる
[動ラ五(四)]《動詞「いらせらる」(下二段)が変化して五段(四段)活用化したもの》
1 「行く」「来る」「居る」の尊敬語。おいでになる。
2 (補助動詞)
㋐(動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて)「ある」「いる」の尊敬語。
㋑(形容詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形、また形容動詞の連用形に付いて)補助動詞「ある」「いる」の尊敬語。出典:デジタル大辞泉
ちょっとややこしいですね。
まとめると、
「ございます」は「ある」の丁寧語
「いらっしゃる」は「ある」の尊敬語
です。
じゃあ間違ってなくない?
その通りです。文法的、意味的に誤りはありません。
では何が不適切なのか。
次へ参りましょう。
「ございます」はモノ、「いらっしゃる」は人に使う言葉
気をつけたいのは、相手が人であるという事です。
これが「~様でございますか?」を使うべきでない理由です。
お客様や目上の方に対し「~様でございますね」と言ってしまうと、モノのようにぞんざいに扱われているという印象を与えかねません。
●正しい使い方
「パソコンでございますか?」
「山田さんでいらっしゃいますか?」
●誤った使い方
「パソコンでいらっしゃいますか?」
「山田さんでございますか?」
もう人に対して「ございます」を使ってしまうのも、耳に慣れたせいで違和感が少ないですね(笑)
でも相手によっては教養のなさを見抜かれてしまいますから、注意が必要です。
というわけで、お客様や取引先の方の名前確認の際は
「~様でいらっしゃいますか?」
と言いましょう。