仕事のスピードを上げるにはどうすれば良いのか。
答えは
余計なことを考えずに目の前の1つの仕事に集中する
です。
つまり余計なことを考えて目の前の仕事に集中できないから仕事が遅くなるわけですが、それはなぜなのか。
そして、余計なことを考えない方法と、目の前の仕事に集中する方法をご紹介します。
余計なことを考えるとワーキングメモリが圧迫され能力が低下する

ワーキングメモリ:脳内の作業記憶
ワーキングメモリとは簡単に言うと、頭の中で仕事を処理する作業スペースのような領域です。
作業スペースなので
デスクで言うと「天板の広さ」であり
パソコンで言うと「メモリ(RAM)」です。
この作業スペースが圧迫されるとどうなるのか。

デスクの上でたくさんの仕事を同時進行しようとすると、どの仕事も片付くことなく、どんどん作業が進まなくなっていきます。
PCではアプリケーションを大量に起動するとフリーズし、どのアプリケーションも動作しなくなります。
作業スペースをできるだけ空けて作業することって、大事ですよね。
そして脳で言う作業スペースが「ワーキングメモリ」なのです。

面白いことに、頭の中でもデスクやPCと同じことが起きています。
余計なことを考えると、このワーキングメモリが圧迫され作業効率が低下します。
ついつい余計なこと(例えば「恋人」「不安」「趣味」「友人」)を考えてしまう人は、それらの余計なことを考えることでワーキングメモリが圧迫され、その結果仕事が遅くなったりフリーズするわけです。
恋人に送ったメールの返信が気になって勉強に手がつかない! あの時言った言葉であの人がどう思ってるか気になって仕事が手につかない! 自分が持ってる株が上がったか下がったか気になって仕事が手につかない! |
こういう状態の人は、余計なことにワーキングメモリを使って仕事が遅くなっている可能性があります。
仕事が速い人は、そういう余計なことからワーキングメモリを解放することで、ワーキングメモリをフル活用して仕事ができるから、仕事が速いわけです。
マルチタスクをするとワーキングメモリが圧迫され能力が低下する

同時進行で仕事をこなすと速いという説が流行った時期がありましたが、間違っていたことが判明しています。
男性はシングルタスクだけど女性はマルチタスクができる説も嘘でした。
シングルタスクで1つの作業を集中してやる場合と、マルチタスクで違う作業を平行してやる場合だと、作業効率が50%も落ちたという実験があります。
50%落ちるって、シングルタスクで1時間に100の仕事ができるのにマルチタスクだと1時間に50しか仕事できないってことじゃないか。
例えば
マルチタスクの人が5時間仕事したとしましょう。

まぁ色んな仕事同時にこなしてるんだから、それぞれは終わらなくても仕方ないですね。
このペースで働き続ければ、17:00頃には5つの仕事を終えられます。
じゃあこの人がシングルタスクで5時間仕事したらどうなるか。

12:00頃には5つの仕事を終えています。
これがマルチタスクの悲劇。
マルチタスクで7:00~17:00までかかる仕事が、
シングルタスクだと7:00~12:00で終わるという現実。
シングルタスクはマルチタスクの2倍の仕事量をこなします。
大げさだよ~って。思いますよね。
でも本当なんです。
あ!そういえば!と言って色々やり出す人 デスクに色んな付箋を貼りっぱなしにする人 いつも注意力散漫ですぐ話が飛ぶ人 |
こういう人はマルチタスクしてる危険性が高いです。
マルチタスクをするとストレスホルモンが増えるということも分かってますし、脳の疲労が激しくなることも分かっています。
シングルタスクになるとストレスも防ぎ、疲れづらくなって仕事効率も上がるのに、まだ目の前に集中しないでマルチタスクで仕事しますか?
ちなみに「俺はマルチタスクじゃない」と思ってる人も、脳内タスクキルで仕事が速くなりますので続きをご覧ください。
ワーキングメモリを解き放ち、シングルタスクになる方法

ここまで
1.余計なことを考えるとワーキングメモリが圧迫される
2.マルチタスクで仕事するとワーキングメモリが圧迫される
その結果、能力が低下して仕事が遅くなるということを書いてきました。
余計なことを考えずに、目の前の仕事をシングルタスクで1つ1つこなした方が世の為、人の為、あなたの為になるということは分かったと思います。
結局ワーキングメモリが圧迫された状態で仕事すると能力発揮できないということなんですが、そのワーキングメモリを解放するにはどうしたら良いのか?
2つ超簡単なテクニックをご紹介します。
テクニック①:余計なことを書き出す

頭の中で浮かんでくることを書き出します。
そうすることで、いったん頭の中でゴチャッと浮かんでいたものが外に置かれ、外に置かれることで、客観的に優先順位を確認でき、さらにワーキングメモリも解放できます。
書き出したものの中で、最優先でやるべきことを1つ選び、それに集中してください。それが終わったら次、終わったら次、という感じで仕事を進めます。
例えば今、頭の中に
「今日中に報告書提出しなきゃ」
「昨晩は奥さんの機嫌悪かったなー」
「昨日やった仕事見直しておきたいな」
「部下にアレとコレを指示しなきゃ」
「今ユーロ/ドル相場はどう動いたかな」
このように書き出すと、今考えるべき最優先事項が見えてきます。
まず部下に指示を出し、昨日やった仕事に不備があったらまずいから見直し、次に報告書作って、帰ってから家族サービスと自分の資産運用について考えよう。
こんな具合に整理整頓できるはずです。
更に、脳内の考えをいったんメモ上にアウトプットすることでワーキングメモリが解放され、1つの仕事に大容量を使えるようになります。
テクニック②:仕事前にタスクキルをイメージする

目を閉じて、頭に浮かんでくる思考を一度全て消します。
スマホやパソコンのタスクキルと同じです。再起動をイメージしてもOKです。
それだけでワーキングメモリの容量が大幅に増えます。
目を閉じ、今自分が何に思いを巡らせているのかに意識を向けてください。
2つ、3つ、4つ浮かんできましたか?
それを一つ一つフリック操作感覚で削除していきます。
頭の中の思考を一度全て削除し終えたら、
改めて、今から始める仕事だけを持ってきます。
これでワーキングメモリが解放されて、目の前の仕事をシングルタスクで始められます。
頭の整理整頓ができない人はミスも多いし仕事も遅い
今回も1冊オススメの本を紹介しておきます。
結局、頭の整理整頓ができない人はミスも多いし仕事も遅い使えない低スぺ人間なわけですが、じゃあどうやって頭の整理整頓をすれば良いのか。
具体的にどうやって脳を整理整頓すれば良いのか、もっと詳しく知りたい方は読んでみると良いと思います。