こんな人にオススメ!
・大勢の前でプレゼンする予定のある人 |
●読みやすさ
タイトルで驚異のプレゼンと謳っているが、本書でも著者が読者にプレゼンしているかのような作り。
目新しさや驚き、筆者自身の興奮を散りばめながら書いてあり、読みやすい。
専門用語も少なく、止まらずに読み進められる。
●内容
プレゼンは何のためにするのか。
正しい事を主張するため?
自分の主張を聞いてもらうため?
そうではない。
プレゼンとは、聞き手の心を動かすためにある。
では聞き手の心を動かすには?
数々のカリスマプレゼンテーターのプレゼンを例とし、なぜそのプレゼンが人気を博したのか、聴衆の心を動かしたのかを解説している。
カリスマプレゼンテーターが話した内容を引用・解説しつつ書いているため、「プレゼン」という題目以外にも「プレゼンターが主張した内容」についても触れられ、濃い内容に仕上がっている。
また、大成功を収めた人たちの格言が沢山紹介されている。勉強になる。
●おもしろさ
導入からワクワクさせられる書き出しである。「プレゼンには情熱が不可欠」との文字通り、著者自身が熱を持ち執筆した事が感じられる。
ちょっとクサい言葉や煽り文句があるが、心地良い程度。
時々出るアメリカンジョークは、日本人のセンスでは笑えないところも多いが、卑屈にならずに読めばおもしろい。
プレゼンの中で聴衆を笑わせたというジョーク(掴み)の数々には、何度も笑わせられた。
●論理的
人を動かす上で、感情に訴える事が一番大切である、と訴えながらも、しっかりと「なぜ」の部分を言及し解説している。
いちいちスッキリできる。
●全体の構成
第1部 感情に訴える
第2部 目新しさを出す
第3部 記憶に残す
の3部編成。
それぞれの見出しに合った様々なプレゼンの実例を出し、解説している。
要所要所に著名人の格言が載せてあり、インパクトと信頼感がある。
総評
TED(Technology Entertainment Design)
TEDというカンファレンスでの素晴らしいプレゼンの数々を紹介、解説した本でした。
とてもおもしろく、最後までハイテンションで読むことができました。
感情を煽る作り
Appleの創設者の一人、スティーブ・ジョブズは誰もが知っているかと思います。カリスマ経営者のジョブズさんですが、彼はプレゼンの達人でした。
驚いたのは、最初から達人ではなかったという事。
なんとなく、天才は最初から天才だしデキる人は最初から光ってる、デキる、と思いがちですが、ジョブズさんもとても努力したそうです。
そんなストーリーや共感を交えながら、素晴らしいプレゼンを紹介し、最後には「たいていの人は自分が思うより、はるかにすばらしい力を持っている」と締めくくっています。
著者:カーマイン・ガロのプレゼン
本書は著者:カーマイン・ガロのプレゼンだと言っても良いでしょう。
それほど情熱を持って書かれ、聴衆(読者)の心を動かすべく書かれた本です。
なぜなら私自身、心を動かされ「何でも出来るんじゃないか」という気分にさせてくれました。
つまり「プレゼンで人の心を動かすとはこういう事だ」を体言した一冊と言えるでしょう。
今のプレゼンのあり方に疑問すら感じる
いまだにプレゼンで、ひたすら文字だらけのパワーポイントを使っている方も多いです。
しかし、そのプレゼンは本当に人の心を動かしその人の行動を変えられるでしょうか。
文字だらけのパワーポイントのプレゼンが過去のものになるのも時間の問題でしょう。