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柔軟剤に含まれる「香料」成分表示義務はない

まず、薬事法では「香料」の中に、どんな成分が含まれているのか表示する義務はありません。
ですから、柔軟剤に入っている香料の成分は何なのかは分かりません。
何が入ってるのか調べても、製造元のサイトにはもちろん安全性のアピールしかありません。
しかし香料と呼ばれる成分は、4,000種類以上あり、中には人体に毒性のあるものが数多く存在します。
ですから、「香料」の表示があり、成分が分からない以上、毒性がある成分が含まれている場合もあることを、覚えておかなければなりません。
どんな香料物質をブレンドして良い香りを作っているのかは企業秘密ってことなんですかね?
代表的な柔軟剤の製造元と安全基準を調べてみたら
では、それぞれの企業ではどのような安全基準で製品開発をしているのか?
商品名 | 製造元 | 安全基準 |
レノア | R&G | 公開情報なし |
フレア | 花王 | 自主評価 研究データ |
ソフラン | ライオン | 自主評価 研究データ |
「社内外の安全性に関する最新情報を集約したデータベースを構築し、原料の安全確認に活用しています。」-花王
「国際機関の安全性レポート、国内外の規格基準なども参考に」-ライオン
どこも、国際的な評価方法や研究データなどを元に自社で頑張って安全性を高めてます、という感じです。
また日本香料工業会という任意団体があり、その団体の会員はIFRA(国際香粧品香料協会)が定めたスタンダードを厳守しているそう。
なので、会員になっている花王の製品はある程度の安全性は保障されています。
(用法用量を間違えなければ、の話ですが)
参照:
日本香料工業会会員
花王-花王の安全基準
ライオン-品質保証・安全、安心への取り組み
安全だろうが香料アレルギーは回避できない

香料はアレルゲンとして働く。香料がアレルゲンとして大きくかかわることから、過敏 性を検査するパッチテスト用のアレルゲンシリーズが販売されている。アレルギーの接触 皮膚炎をパッチテストで調べたところ、欧州では人口の 1%が陽性であり、皮膚科患者の 調査で 10%が陽性であった。日本でも患者の陽性率はほぼ同程度の 9.2%であった。最近 はアロマテラピーの流行によると思われるラベンダーオイルへの陽性率が高くなってき た。
引用:香料の健康影響
花粉アレルギー(花粉症)は花粉との接触回数が増えすぎると発症リスクが高まります。
香料アレルギーも同じで、接触回数が増えすぎると発症リスクが高まります。
つまり、
香料との接触回数が増えたため、香料アレルギーを持つ人が増えている
ということです。
ニオイで頭痛がしたり、目がかゆくなったり、くしゃみや咳が出たり…。
身に覚えがある方は香料アレルギーの可能性がありますから、注意してください。
ところで、香料アレルギーの中で断トツが、ラベンダーオイルアレルギー。
ラベンダーオイルの、リラックス、防虫などの効能から香料として使われることが増え、接触回数が増えたからだと考えられます。
原因不明の体調不良が長引く場合は、香料アレルギーの可能性も考える必要がありそうです。
香料は頭痛の原因になり得る

香水や臭いが偏頭痛を誘発するという報告がある。Kelman (2004) 偏頭痛患者 727 人で 臭いや味覚との関係を調べた。この中で香水や臭いが急性偏頭痛を誘発すると報告したの は患者の約半数であった。この現象は男性より女性で多く認められた。米国で偏頭痛の誘 発因子を調べた Kelman(2007)のその後の研究によると、偏頭痛はストレス(79.7%)や女 性のホルモン変化(65.1%)、食事を摂らないこと(57.3%)、天候(53.2%)、うまく眠れ ないこと(49.8%)に次いで、香水や臭い(43.7%)に誘発されるという。これらは首の 痛みや光、アルコール、喫煙、夜更かしなどよりも多く偏頭痛を誘発する。
引用:香料の健康影響
上の結果を見ると、偏頭痛持ちの43.7%の人がニオイでも頭痛が誘発されると答えています。
近年「香害」というワードで騒がれるニオイ問題。
確かにクサイのは不快ですが、不快なだけならまだしも他人に健康被害を与えている可能性があります。
最近は香料の量が多く香りの強い商品が人気になっていますが、香水や柔軟剤のニオイで周りの人に頭痛をばらまく
「歩く香害」
にならないように気を付けなければいけませんね。
結論
柔軟剤の香料には毒性のある成分が含まれる場合がある(含まれない場合もある)
柔軟剤は香料と用量に注意して使わないと、自分や周りの人たちの健康を損ねる
この2つのことが判明しました。
この結論から考えると、毒性のある香料が含まれるリスクを取ってまで香りの強い柔軟剤を使うのか?どうなのか?
それはもちろん自分の価値観次第ではありますよね。
私の考えを述べると、ちゃんと安全な香料を使っているというデータを公開してくれるまでは無香料の柔軟剤を使った方が良いんじゃないかなと、思ってます。
それでも香料入りの柔軟剤を使うなら、用法用量を守るか、用量を少なめに使いリスクを抑えると良いのではないでしょうか。